ホームセンターや園芸店でかわいい花苗を見つけ、さっそくお家に迎えたけれど。
「この根、ほぐしたほうがいいのかな?」「そのまま植えて大丈夫?」と迷ったことはありませんか?
花苗の根をほぐす・ほぐさないは、植物の種類や根の状態によって変わってきます。
知らずに無理にほぐしてしまうと、かえって植物を弱らせてかえって元気をなくしてしまうことも。
この記事では、そんな植え替え時の根の扱い方について、初心者の方にもわかりやすく丁寧にご紹介します。
根をほぐすべきかどうかの見分け方や、それぞれのやり方のコツも写真付きで解説。
花苗がぐんぐん元気に育つよう、ぜひ参考にしてみてください
花苗ポットの植え替えってなぜ必要?
お店で買った花苗、そのままポットで置いていませんか?
実は、ポットのままでは植物がのびのび育つことができないのです。
元気に花を咲かせるためには、植え替えが大切な第一歩になります。
苗ポットのままではダメな理由
お店で売られている苗は、だいたい小さなビニールポットに入っていますよね。
このポットの中では、根がギュウギュウに詰まっていて、これ以上広がる余裕がない状態なんです。
根が伸びられないと、植物全体の成長も止まりがちになってしまいます。
それに、ポットの中の土はとても少ないので、水がすぐ乾いたり、逆にうまく保水できなかったりと、植物にとってはちょっと厳しい環境になっています。
栄養もすぐ足りなくなってしまいます。
植え替えてあげると、土の量が増えて栄養も補えますし、根がのびのびと広がれるスペースができます。
さらに、古い土を新しいものに入れ替えることで、通気性や排水性も良くなって、根っこが健康な状態に保たれます。
植え替えのときに根をほぐしたり、傷んでいる部分をカットしたりすることで、病気の予防にもつながります。
ちょっと手間はかかりますが、植物が元気に育って花をたくさん咲かせてくれると思うと、やっぱりやってよかったなと思える作業です。
植え替えのベストタイミングとは?
植え替えにちょうどいいタイミングは、やはり植物が元気に動き始める春先や、暑さが落ち着いてくる秋の始まり頃かなと思います。
この時期だと、新しい土にもスムーズに馴染んでくれて、根っこへの負担も少なくてすみます。
逆に、真夏の暑さが厳しい時期や冬の寒い時期は、植え替えが植物にとってストレスになりやすいので、できれば避けたほうが安心です。
根はほぐす?ほぐさない?
植え替え時に「根はほぐすべきか、そのままにすべきか」で迷う方も多いと思います。
それぞれにいいところあれば注意したいポイントもあるのでまとめてみました。
それぞれのメリット・デメリット
根をほぐすメリットは、根がぎゅっと詰まった状態をゆるめてあげることで、根が土の中に広がりやすくなることです。
そうすると新しい環境にもなじみやすくなって、ぐんぐん成長してくれることが多いです。
さらに、水はけがよくなったり、水を吸いやすくなることもあるので、元気な姿を見せてくれる可能性が高まります。
根をほぐすデメリットは、強くほぐしすぎてしまうと根を傷つけてしまい、植物にとってはストレスになり、時期が悪いと、それが原因で元気をなくしてしまうこともあります。
中には、根をいじられるのがとても苦手な植物もいるので、そういうタイプには注意が必要です。
根をほぐさないメリットは、植物に余計なダメージを与えずに済むことです。
特に初心者さんには安心なやり方ですし、根が繊細な種類にはぴったりです。
根をほぐさないデメリットは、根詰まりがひどいと、そのままでは成長が止まってしまったり、土とのなじみが悪くなって根腐れを起こすこともあります。
見た目には大丈夫そうでも、中で根が苦しんでいる場合もあります。
こんなときは「ほぐす」が正解
ある条件がそろっているときには、根を軽くほぐしてあげることで植物がぐんと元気になりやすいです。
根詰まりしている場合。
ポットの底から根がはみ出していたり、土の表面がカチカチになっていたら、それは根が窮屈になっているサインです。
そんなときは、鉢の下や側面の根を軽くほぐしてあげたり、根のかたまりにハサミで切れ目を入れてあげると、根が新しい土に伸びやすくなります。植え替え
植え替えのタイミングが「生育期」であること。
春や秋など、植物がぐんぐん育つ季節なら、多少根をいじってもちゃんと回復してくれることが多いです。
根を触っても大丈夫な植物であること。
たとえば、パンジーやビオラ、マリーゴールド、ワイヤープランツ、モンステラ、パキラなどの「ひげ根性タイプ」の植物は、比較的強くて、根を少しほぐしても問題ありません。
この3つがそろっているなら、思いきって根を軽くほぐしてあげることで、新しい環境にもなじみやすくなり、ぐっと元気に育ってくれるはずです!
逆に「そのまま」が良いケースもある
根をほぐしてしまうと逆に弱ってしまう植物もあります。
直根性タイプの植物です。
例えば、ダイコンやタンポポ、ポピー、ネモフィラ、スイートピー、ルピナス、エンドウやインゲンなどのマメ科の植物は、太くてまっすぐな主根が中心となって成長します。
これらの植物は根を無理にいじると、細かい根が切れてしまい、ダメージが大きくなってしまいます。
こういった植物は、根を触らずにそのまま植え替える方が安全です。
繊細な細根を持つ植物も根をほぐさない方が良いです。
例えば、スイートアリッサムなどは、根がとても繊細で、少し触れただけでちぎれてしまいます。
こういった植物は、根鉢をそのまま優しく植え替えることが大切です。
どちらの場合も、根を傷つけないように優しく扱うことが、植物を元気に育てるためのポイントです。
実際の植え替え手順を写真付きで解説!
今回は、園芸店で購入したミニバラの苗を使って、植え替えの手順を写真付きでご紹介いたします。
初めての方でも安心して取り組めるよう、わかりやすく説明していきます。
必要な道具・準備
- 土
- 鉢
- 菜箸(お料理で使わなくなったものを使っています)
- オルトラン(虫対策の粒々です)
- 鉢底石
- シャベル
- ジョウロ
- リキダス(活力剤)
- ガーデン用手袋

今回はサニベルオリジナルのみどりのつちを使おうと思います。
水はけもよく土がサラサラしているのでとても使いやすいです。

苗ポットに対して少し大きいかなと思いましたがこの鉢にしました。
一般的にはポット苗の一回りか二回りくらい大きいものに植え替えすると良いです。
植え替えの流れ
写真付きで解説していきます!

鉢底石を入れます。

大体の目安にポット苗ごと入れてみました。
少し大きいような気もしますがこちらの鉢にしました。
鉢にみどりのつちを半分入れたらオルトランをフリフリして少量入れます。(塩胡椒をかけるように手を汚さず入れられます)
その上にまたみどりのつちを入れます。苗をポットのまま入れながら、土の量を調整します。

ここでポットから苗を出します。
根はあまり張っていなくて窮屈そうではありませんでした。
あまりいじらずこのまま優しく新しい鉢に入れます。
その後、鉢の周りの土を菜箸で突いて空気を入れてあげます。これで完成です。
写真でわかるビフォーアフター

お花に対してポットが小さくてかわいそうですね。

気持ちの良い土に植え替えてすくすくと育ってくれそうです。
植え替え後の注意点と育て方のコツ
植物を植え替えた後は、「ちゃんと根付いてくれるかな?」「枯れたりしないかな?」と少し心配になりますよね。
植え替え直後は、環境の変化や根のダメージで植物がストレスを感じやすい時期です。
そんなデリケートなタイミングだからこそ、ちょっとした気配りがとても大切です。
ここでは、植え替え後に気をつけたいことや、元気に育てるためのコツをご紹介します。
水やり・日当たりのポイント
植え替えた直後の植物はとてもデリケートな状態です。
まずは、土と根がしっかりなじむように、鉢底から水が流れ出るまで、ゆっくりたっぷりと水をあげましょう。
コーヒーをドリップするように、少しずつ丁寧に注ぐのがコツです。必要であれば、20〜30分後にもう一度水を与えても大丈夫です。
植え替え後しばらくは、根がまだ水をうまく吸えないので、水やりは「土が乾いてから」が基本です。
植え替え直後は、直射日光を避け、明るい日陰や半日陰で静かに過ごさせてあげましょう。
傷んだ根に強い日差しや風は負担が大きいため、3日〜1週間ほどはそっと休ませてあげるのが安心です。
植物にとって心地よい環境を整えてあげることが、元気に育っていく第一歩です!
根が安定するまでに気をつけること
植え替え後の植物がしっかり根を張って元気に育つためには、ちょっとした気配りが大切です。
植え付けのときに土をふんわりかけるだけではなく、根のまわりにしっかりと土を詰めてあげることが大切です。
土と根がしっかり触れ合っていることで、ぐらつかず、植物も「ここに根を伸ばそう」と思ってくれます。
もしも株が不安定で揺れてしまう場合は、そっと支柱を立ててサポートしてあげましょう。
植え替え直後は根が傷んでいることもあるので、すぐに肥料を与えるのは控えましょう。
根がダメージを受けている時期に刺激の強い栄養を与えてしまうと、かえって元気をなくしてしまうことがありますので、1週間ほど様子を見て元気が戻ってきてから与えましょう。
もし元気がなさそうなら、リキダスやメネデールのような活力剤で優しくサポートするのもおすすめです。
最後に一番大事なのは、毎日ちょっと気にかけてあげることだと思います!
葉の様子や土の乾き具合を見ながら、声なきサインに気づいてあげることで、植物との信頼関係も少しずつ深まっていきますね。
まとめ
植え替えは、植物にとって新しい環境でのスタートです。
私たちが少し気をつけてあげるだけで、植物はぐっと元気に育ってくれます。
土をしっかりなじませてあげること、不安定な株にはそっと支柱を添えてあげること、肥料は焦らず植物が落ち着いてから。根を触るかどうかも、それぞれの性格に合わせてですね。
もしちょっと元気がないなと思ったら、活力剤でやさしく応援してあげてください。
植物との時間は、ゆっくりとしたやさしい時間です。お世話をしながら、私たちもほっと心を落ち着けられる、そんなひとときになれば嬉しいです。
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